新お茶の水薬局・アイ調剤薬局のブログ

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緑内障だと、風邪薬は使えない??

 11月となり、風邪の季節が到来しました。国策としてセルフメディケーションが推進される昨今、OTC医薬品としてたくさんの種類の風邪薬が販売されています。しかし、『緑内障の方は、医師や薬剤師に相談』と書いてあるものが多く、当薬局でも緑内障の患者さんから、「風邪薬を飲んではいけないのか?」と電話でお問い合わせを受けることがあります。そこで、今回は緑内障OTC医薬品の風邪薬について説明したいと思います。

☆注意が必要な成分は何か?

 ステロイド剤や抗コリン作用を持つ医薬品は、眼圧を上昇させることがあるので注意が必要です。OTC医薬品として販売されている風邪薬に配合されていて注意が必要なのは、主に抗コリン作用をもつ成分です。

☆同じ緑内障の患者さんでも、注意が必要な場合とそうでない場合がある

 緑内障と一括りに言っても、緑内障のタイプや特定の手術をしたかどうかなどによって、注意が必要な場合とそうでない場合があります。
 緑内障の中には、開放隅角緑内障(隅角は開いているものの線維柱帯が目詰まりしているタイプ)と、閉塞隅角緑内障(隅角が狭くなったり閉じたりして線維柱帯がふさがっているタイプ)があります。また、両方が混ざった混合型もあります。日本人に多い正常眼圧緑内障は、広義では開放隅角緑内障に含まれます。

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【出典】参天製薬 緑内障患者さん向け冊子『点眼治療をはじめられる患者様へ 大切な視野をいつまでも守るために』

 注意が必要なのは、主に閉塞隅角緑内障の患者さんです。抗コリン作用をもつ成分は、瞳孔括約筋を弛緩させ、瞳を開くとともに、隅角を狭めて房水の出口を塞ぎ、その排出を阻害する作用があります。もともと隅角が閉塞もしくは狭くなっている閉塞隅角緑内障の患者さんは、抗コリン作用によって隅角が完全に閉塞し、房水の流れが急激に悪化、緑内障の急性発作を引き起こす危険性が高いため、注意が必要です。
 ただし、以前、閉塞隅角緑内障と診断された場合でも、レーザー虹彩切開術や周辺虹彩切開術、白内障の手術などをした患者さんは、房水の流れが改善しているため、急性発作の心配をせずに医薬品を使える場合が多くなります。

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☆注意が必要な緑内障患者さんでも使える風邪薬

 薬の使用に注意が必要な緑内障患者さんでも、抗コリン作用をもつ成分を含まない風邪薬であれば、問題なく使用できます。以下に、当薬局で取り扱いのあるOTC医薬品を例に紹介します。

○総合感冒

・ストナ®デイタイム佐藤製薬

アセトアミノフェンエテンザミド、リン酸ジヒドロコデイングアヤコールスルホン酸カリウム、小青竜湯乾燥エキス、無水カフェイン 配合

○風邪の引き初めに…

・阪本漢方の葛根湯エキス顆粒(阪本漢方製薬)

カコナール2(葛根湯濃縮液)(第一三共ヘルスケア

○腹痛や吐き気のある、おなかの風邪に…

・「クラシエ」漢方 柴胡桂枝湯エキス顆粒A

○辛いせき・たんに…

・「クラシエ」漢方 麦門冬湯エキス顆粒A

・ストナ®去痰カプセル(佐藤製薬

…L‐カルボシステインブロムヘキシン塩酸塩 配合 

○辛い鼻水に…

・「クラシエ」漢方 小青竜湯エキス顆粒A  

○辛いのどの痛みに…

ツムラ漢方トローチ桔梗湯

・ペラックT錠(第一三共ヘルスケア

…トラネキサム酸、カンゾウ乾燥エキス、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、L‐アスコルビン酸ナトリウム 配合

 

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 緑内障の方は、自分の緑内障のタイプや薬の使用に注意が必要かどうかを、担当医の先生にあらかじめ確認しておくとよいですね。その上で、医薬品を使用する場合には、必ず医師か薬剤師に相談してから使用するようにしましょう。

 当薬局でも、お薬相談窓口を開設しています。是非、ご活用ください。